ドラムおやじのぼやき⑭
喉が渇いた…
ひりひりと喉の奥が痛む程に渇いた…
ある晩の事、私は異常な喉の渇きに悶え苦しんでいた。
ひりひりとした喉の痛みは、やがて悶絶する程の苦痛と化し、
まさに阿鼻叫喚の地獄絵図のごとく、
地獄の底で、目を剥き、舌を突き出して、一滴の雨粒を求める
亡者の様相と化していたに違いない。
苦痛にさいなまれ、薄れ行く意識の中で、
何故か懐かしい思いに包まれた。
このひりひりとした痛みは、私が『青春』と呼ばれる年齢だった頃の、
ぶつけどころが無く、満たされず、発散できない、
怒り、不満、迷い、欲求不満等の、ドス黒く、甘酸っぱい
若者の苦悩と似ていると感じた。
苦痛と快楽とは紙一重である。
ならば、この苦痛を甘酸っぱい記憶、青春の甘味なる記憶と置き換えて、
懐かしく楽しい思い出にどっぷりとつかり、幸せな思いに包まれながら、
眠りにつけないだろうか…
いや、無理だ!
私は修行僧ではない!
そんなに都合良く、意識をコントロールする事は出来無い!
話を元に戻そう。そもそもの渇きの理由に!
ビールが切れたのだ。
冷蔵庫を開けるとビールが無かったのだ。
ウイスキーや焼酎はあるけれど、それではダメなのだ!
今は、ビールなのだ!!
もう風呂にも入って、パジャマ姿だから、買いに行くのも嫌なのだ!!!
あぁ、喉が渇く…
私の家にあるのだ!!
今すぐ飛んで行くぜ!
つまみ用意して待ってな! ベイビ〜!!♡
飲酒運転なのだ!(笑)